2013-01-01から1年間の記事一覧

塙和也『自民党と公務員制度改革』/包括政党「自民党」の黄昏

白水社から、この7月中に刊行される塙和也著『自民党と公務員制度改革』を御献本頂いたので、早速読んでみた。(未だ発売前なのだけど)少し感想を。 自民党と公務員制度改革作者: 塙和也出版社/メーカー: 白水社発売日: 2013/07/17メディア: 単行本この商品…

長岡弘樹『教場』/刑事訴訟法の副読本?

せっかく早起きしたので、ついでに。最近、珍しく警察?小説を読んだ。正確には警察“学校”小説なのだが、長岡弘樹『教場』小学館。新聞が週刊誌の書評で絶賛だったこともあり、週末、何のけなしに読んでみた。 教場作者: 長岡弘樹出版社/メーカー: 小学館発…

就活と大学生活

最近、ゼミ生もちらほら面接に行ったとかいう話を耳にするようになったので、私にしては珍しく、就活の話を。私が学生だった頃は、リクナビとかも無く、応募ハガキが一杯ついた冊子とかが段ボール送られて来てた時代で、卒業の時、山一証券が潰れたりしてた…

『黒人差別とアメリカ公民権運動』、或いは政治小説/漫画の金字塔

昨日の講義で触れた文献の中でも、特にジェームス・M・バーダマン 『黒人差別とアメリカ公民権運動 ―名もなき人々の戦いの記録』は必読。この本は、地味なタイトルなのだが、中身はタイトルからは想像も出来ない衝撃的なもので、本当に良い本だと思う。以前…

無差別戦争観とキューブリック

講義で取り扱う「正戦論」の詳細については、井上達夫『世界正義論』(筑摩書房)の第5章を参照されたいが、無差別戦争観に関連して講義中に触れるキューブリックの映画『バリー・リンドン』の戦闘シーンは以下の通り。整然と行進する兵士の隊列が美しい。こ…

2つのアメリカ

以下、いつも講義の中で紹介するアメリカがらみの映画についてのまとめ。 先ずは、毎週金曜23:30からMXで放送されている「町山×中島の未公開映画を観るTV」で紹介されていたので知った『ジーザス・キャンプ』。 ジーザス・キャンプ ?アメリカを動かすキリス…

北朝鮮と世界正義論

北朝鮮 14号管理所からの脱出作者: ブレインハーデン,申東赫,園部哲出版社/メーカー: 白水社発売日: 2012/09/19メディア: 単行本 クリック: 3回この商品を含むブログ (3件) を見る ブレイン・ハーデン著 『北朝鮮14号管理所からの脱出』 白水社、読了。心が…

『性同一性障害の医療と法』

『性同一性障害の医療と法』(メディカ出版)がポストに届いていた。特例法成立に尽力した南野知惠子・元法務大臣から執筆陣への感謝のお便りも付されており、一読、立法運動当時の色々なことが走馬燈のように頭の中を駆け巡った。 性同一性障害の医療と法: …

児玉聡『マンガで学ぶ生命倫理』/脳神経倫理学

遅まきながら、児玉聡さんから頂いた『マンガで学ぶ生命倫理』読了。高校生とかが読むのに良い本だと思った。各章末尾に付された「映画・小説から」という小さな欄、学生・生徒向けにはここら辺から話を膨らませると教えやすいかも。小説とか映画とかうまく…

『ユリイカ』 特集:ゾンビ

『ユリイカ』ゾンビ特集号の全体にやっと目を通したので、以下、簡単に印象に残ったことなどメモを兼ねて。 私は「フィロソフィア・アポカリプシス--ゾンビ襲来の法哲学」という小文を寄稿している。中身は法哲学(正義論)の観点からのゾンビ談義。自然状…

最初と最後の講義

数年前の、ちょうどこの時期だったと思うが、講義が終わった後に学生がやって来て「僕は大学で始めて受けた講義が先生ので、今日も学生時代最後の講義が先生のでした。良い大学生活でした」と言われ、じーんとなったのを思い出した。彼はもう卒業してるけど…