『立法者・性・文明』著者解題

2023年10月1日(日)、拙著『立法者・性・文明――境界の法哲学』(白水社)が発売になりました。まずは目次を掲載しておきます。 立法者・性・文明:境界の法哲学 作者:谷口 功一 白水社 Amazon はしがき第Ⅰ部 法と政治のあわい 第1章 立法者の人間学 第2章 …

『日本の水商売』メディア登場のまとめ

日本の水商売 法哲学者、夜の街を歩く 作者:谷口 功一 PHP研究所 Amazon ーーメディア掲載等のまとめーーー 04月22日(土):とっとり研究所YouTube番組・最速新著レビュー 04月24日(月):Newsweek抜粋「ヤンキーの虎とサンデル」 05月01日(月):東洋経…

著者解題『日本の水商売ー法哲学者、夜の街を歩く』(4月11日発売)

本日、2023年4月11日(火)、拙著『日本の水商売――法哲学者、夜の街を歩く』(PHP研究所)が発売になりました。以下、著者解題に代えての簡単な本書の紹介です。 日本の水商売 法哲学者、夜の街を歩く 作者:谷口 功一 PHP研究所 Amazon この本は、二〇二一年…

「夜の街」の憲法論・拾遺~ MajiでTrump5秒前

「Voice』誌に掲載し、その後Webにも転載された拙論「「夜の街」の憲法論――立憲主義の防御のために」、Webへの転載(のちYahooニュースにも転載)に対し、驚くほど大きな反響があった。多くの人びとの共感を得られたようで、書き手としては嬉しい限りだが、…

2人の出郷者--永山則夫と菅義偉

最近一部で話題の、放送大学ラジオ講座「人間にとって貧困とは何か」(西澤晃彦・神戸大)、「西澤先生の声が良すぎて異様な説得力が~」というやつなんだけど(井出明先生から教えていただきました)、第2回で取り上げられている見田宗介『まなざしの地獄…

憲法記念日の奇習

毎年恒例の「憲法記念日にコンビニで全紙を買って来て読んでみる」を今年もやってみました。 下のほうに2019年と2018年の時の記録も参考までに付しておきますが、まさか今年の憲法記念日がこんなことになるとはね、という。2019年に書いたように、もうこの奇…

第1回拾遺:面白うて、やがて神聖なる喜劇

白水社サイトでの連載本体(元記事)は、こちら。 今回のメインは、以下。 単行本版の刊行後の出来事についてもフォローして追記が行われており、また解説も素晴らしいので、単行本を既に持っているひとも是非。 黙殺 報じられない“無頼系独立候補”たちの戦…

第0回拾遺:Merentem laudare justitia est.

白水社サイトでの連載本体は、こちら → https://webfrance.hakusuisha.co.jp/posts/3085 ・・・というわけで「哲学者の朝の祈りはノンフィクションを読むことである」と題した連載を始めたわけだが、白水社サイトの連載本体にも記した通り、今後おおむね1ヶ月に…

世界史へ接続せよ/安田峰俊『八九六四』

本書は今を遡ること29年前の今日、1989年の6月4日(八九六四)に起きた天安門事件をめぐるものである。 八九六四 「天安門事件」は再び起きるか 作者: 安田峰俊 出版社/メーカー: KADOKAWA 発売日: 2018/05/18 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る …

島田英明『歴史と永遠』

わがゼミの卒業生でもある島田英明さんの単著『歴史と永遠 江戸後期の思想水脈』(岩波書店)をご恵贈頂きました。ひとりの教師として感無量です。 上記、「で“も”ある」と記した通り、日本政治思想史を専門とする島田さんの首都大での本籍は河野有理先生の…

フジプライムニュース(2017年6月13日)

『護憲派・改憲派が激論 憲法9条と自衛隊明記』と題し、石川健治(憲法)・百地章(憲法)・井上達夫(法哲学)が出演。 www.bsfuji.tv 憲法学者・石川健治の所説が余りにも強い印象を残したので、以下、書き留めておく。なお、井上達夫の議論は、いつも通…

Nスペ:変貌するPKO 現場からの報告

『自衛隊のリアル』の著者、瀧野隆浩さんが強く薦めていた番組だったので観たが、観ていて比喩ではなく胸の苦しくなる番組だった。以下、備忘を兼ねてメモ。 南スーダンの首都ジュバにPKOとして派遣された自衛隊の知られざる記録。当初、新国家建設のために…

猿の軍団/indigo

突然思いだして何だったっけ?となるものの記憶の外化。私にだけ関係あることなので、ひっそり更新。 猿の軍団 op この「猿のぐんだ~ん♪」と「猿だっ、猿だっ、さぁーるーだー♪」という下りが時々、突然アタマの中に降りて来て、コレなんだっけ??となるん…

毎日新聞・天皇発言に関する重大問題報道

余りに驚き、しかる後に暗澹たる気分になったのだが、以下、重大な問題なので備忘を兼ねて書き付けておく。 5月21日、毎日新聞に以下のような記事が掲載された。 記事の内容は、退位を巡る有識者会議で保守系の専門家から「天皇は祈っているだけでよい」とい…

ギックリ腰への対処法

昨日、久しぶりにギックリ腰になったところ、下記のような大変有り難い教えを友人から頂き、実行したら本日はウソのように治った。大変公益性の高い話でもあるので、以下、記し留めておく。 --- ビニール袋に氷をたっぷり入れて腰に直接当ててアイシング…

毎日新聞取材「若者・移ろう憲法観」補遺、或いはR65

本日の毎日新聞朝刊に憲法記念日特集ということで、「若者・移ろう憲法観」というお題で取材記事を掲載して頂きました(1面でビビりました。「目前の不安 影響」という柱書きのすぐ左上から私が登場します)。 headlines.yahoo.co.jp ※ 掲載日の夜になってか…

朝日新聞「耕論」補遺

本日の朝日新聞朝刊「耕論」欄でインタビュー記事を掲載して頂きました。以下、わたし自身の備忘も兼ねて少し今回の取材の経緯に関する話などを記し留めておきます。 digital.asahi.com 3月16日に「壁をつくる」(仮題)というテーマで話を伺いたいという取…

悪魔の追跡(1975)

この映画の名前を忘れてしまうことが多く、時々思い出せなくて気が狂いそうになるので(さっきもそうなってた)、記憶の外部(固定)化の一環として、以下、記し留めておく。『悪魔のいけにえ』とも混同してしまうのだよな・・・。 アメリカの田舎町にキャンピ…

驚天動地の逃亡活劇--顔伯鈞著・安田峰俊編訳『「暗黒・中国」からの脱出』

昨日、読み終わった安田峰俊編訳『「暗黒・中国」からの脱出』について、以下。この本、安田さんの「編訳」になってるけど、もともとの原稿は顔伯釣という中国の民主化運動をしている人から、書き溜めていた30万字を超える分量の原稿を安田さんが託され、そ…

「好戦的」な10代女性と「平和主義」の60代男性?

『AERA』2016年5月16日号で【大特集:あなたは憲法が好きですか?】という特集をしており、ちょっと気になる記事があったので買ってみたのだが、最初にお目当てだった記事よりも興味深い記事があったので、講義資料のメモを兼ねて以下に記しておく。 AERA(ア…

J-WAVE/JAM THE WORLD出演補遺「多文化主義とはなにか?」

2015年1月7日、J-WAVEの「JAM THE WORLD」 という番組の Breakthrough というコーナーに出演して来ました。お題は「欧米の多文化主義とはなにか?」。パーソナリティは萱野稔人さん(津田塾大・哲学)。時間は20:55~21:20くらいの、だいたい20分強くらい。…

移民/難民について考えるための読書案内--「郊外の多文化主義」補遺

本エントリーでは『アステイオン』83号に掲載され、その後、ニューズウィーク日本版ウェブサイトに全文を4回分載+補遺で掲載される拙稿「郊外の多文化主義」に関する補足的な情報提供を行いつつ、移民/難民について考える上で参考になる文献などを紹介して…

「エンブレムです・・・」(挨拶)

以下、ある本について以前書いておいたものを気が向いたのでアップしておく。特に何も考えずにアップしている。 (近所の某Fの科学会館にて)私「すいません~、こちら本も扱ってますよね?」某Fの科学会員「あ、大丈夫ですよ。何をお探しですかあ?」(とて…

還暦記念論集『逞しきリベラリストとその批判者たち』発売のご案内

大変お待たせしましたが、本日8月30日(日)段階で、『逞しきリベラリストとその批判者たち--井上達夫の法哲学』のAmazonでの販売が開始されており、また、週明けの9月初旬には書店にも並ぶとのことです。 逞しきリベラリストとその批判者たち―井上達夫の…

『がっこうぐらし』 とゾンビ法哲学

深夜アニメ「がっこうぐらし」がゾンビ物とは仄聞していたのだが、先日、連日の行政雑務その他による繁忙のため心が折れていた深夜、第1話から第6話までを一気に観てしまった(つい、かっとなってやった)。 本エントリーはゾンビ好きの法哲学者がテキトーに…

『神聖喜劇』 と「なけなしの公共性」

昨日迂闊なことをペロっとtweetしたら、色々な方からご教示を頂いた。 ?? 「学生」を「生徒」というのは、アレだけど。 「~教授」という呼び掛けは、むしろダメかと。「教授・准教授・講師」とか職名であって敬称ではない。兵卒が「~大佐」と呼び掛けな…

公民権運動の長い隊列 (Obergefell v. Hodges)

(上写真は、http://u111u.info/m4xF より) 講義でも毎年、Bowers v. Hardwick, 478 U.S. 186 (1986) から始まり、Lawrence v. Texas、539 U.S. 558 (2003) に至るまでの歴史を話しているので、以下、講義ノートの改訂のための備忘も兼ねてメモ。適宜、内容…

「学会による政治的意見表明」に関する小文備忘

思うところあって、高橋和之「学術的「学会」による政治的意見表明に思う」『ジュリスト』No.1213(2001.12.1)を久しぶりに読み返してみた。 ジュリスト 2001年12月1日号(No.1213) | 有斐閣 この小文(全3頁)、きわめて滋味深いものなので、以下にその内…

「集団的自衛権祭り」への冷ややかな雑感

衆院憲法審査会での憲法学者による違憲発言以来、「集団的自衛権祭り」とでも言うべきものが活況を呈しているが、ともすれば強力な磁場に捉えられ、「友/敵」的かつ不毛な議論になりがちなところ、以下、備忘を兼ねて twitter で記したものなども含め記し留…

ぶっ殺したい鳥

極めて不穏当なタイトルで申し訳ないが、以下。 以前もtwitterの方で書いたことがあるのだが、自宅で朝寝ていると、外から凄まじい大音量で「ギャーーーギャーーーギャーーー」と鳴く鳥の声が聞こえてくる。「ギョィェーーーーーー! ギュィッ!ギュィッ!ギ…