東京から2時間のブラジル?:群馬県大泉町訪問記
先日、ゼミの小旅行で群馬県邑楽(おうら)郡・大泉町に行って来た。この地名を聞いてピンと来る人は、あまり居ないだろうが、大泉町は(日系)ブラジル人をはじめとする外国人居住比率が日本一の町であり、「東京から2時間、片道1000円で行けるブラジル」と言われたりもする。
この大泉町で、来る9月13日(土)にサンバ・カルナバルが行われる。私も一度行ったことがあるが、楽しいイベントである。日が迫っているのではあるが、お時間のある方は是非行かれると良いと思う。詳細は、以下の通り。
*大泉カルナバル2014
http://www.oizumimachi-kankoukyoukai.jp/calnabal.html
私は、この大泉町に今回のゼミのexcursionを含めて都合3回行ったことがあるのだが、理由は上に書いた通り、この町が我が国の中で最も外国人居住比率が高く、今後さらに議論されることになるであろう「移民」問題に関するひとつのリーディング・ケースになっているだろうと思ったからだった。
このような外国人居住比率の高い町は、実は日本中に少なからず存在しており、それらの都市は「外国人集住都市会議」というのを開催したりもしている。私も以前、傍聴しに行ったことがあるが、大変勉強になった。今年は東京で11月に開催されるようである。
*外国人集住都市会議
http://www.shujutoshi.jp/
なお、今回の訪問は、ちょうど今年度前期のゼミで、移民に関する理論的な文献をテキストを扱っていた関係による。
*2014年度谷口ゼミの告知
http://taniguchi.hatenablog.com/entry/2014/03/31/114107
大泉町は地理的には、地図上、群馬県の右下の方の「東毛」に位置し、県内の主要都市である前橋や高崎からは遠く、栃木県と埼玉県の狭間に陥入するような位置を占めている。群馬県の形は右下に向かって羽を広げて飛ぶ「鶴」の姿にたとえられるが、大泉町は、ちょうどその首の付け根に近い部分にある。
双方ご出身の方には誠に失礼で申し訳ないのだが、私のように九州くんだりから来た人間には、どうしても栃木と群馬の区別が付かなかったところ、私と同じような蒙昧状態にある人は、この《群馬=鶴》というのを一度アタマに入れれば、今後は大丈夫!
下のように、上毛かるたでも「つ」の札は「つる舞う形の群馬県」なのである。右側は、どうでもイイことだがパズドラの「ぐんまコラボ」で入手出来る「超ぐんまけん」。以前これに虐殺されたような記憶がある・・・。
やっと本題なのだが、先の通り、大泉町は東京から約2時間の場所にあり、鉄道網上は以下のような場所に位置している。
最寄り駅は小泉線「西小泉駅」。都内からだと、北千住まで行って「特急りょうもう」に乗り、館林乗り換えで行くのが一般的かと思われる。
今回の小旅行では、前もって観光協会の方に連絡して、当日、ガイドさんに付いて頂き、昼ちょっと前から夕方まで、街の中を貸し自転車に乗って案内して頂いた。ガイドは、ブルナさんという日系ブラジル人の観光協会の方で、大変親切に色々なことを教えて下さり、充実したツアーとなった。・・・今回の訪問のあとに大泉町について改めて色々と調べてみたらブルナさんは結構、有名人であるようだ。
*W杯・ブラジル美女「母国と日本どっちも応援」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140604-00000020-wordleaf-l10&p=1
当日は、駅でブルナさんと落ち合った後、駅前すぐの貸し自転車に乗ってブラジル・レストランに向かい、シュラスコ(ブラジルの肉料理)を食べながらポルトガル語の基本的なフレーズなどを教わったり、またご同席頂いた同じく観光協会の小野さんから町のことについて色々と興味深いお話を伺ったりもした。下の写真にある通り、ものすごい肉で(美味い!)、ついでにカイピリーニャも呑んでみたり。わたしは自宅でも、カシャーサがあればカイピリーニャを作って呑むが、特に夏には乙な酒である。
食後、町内を自転車でまわり、色々な場所や看板(ポルトガル語)の説明などを受けてから、町内のブラジル関係の店舗が集中する場所へゆき、ブラジリアン・スーパーに入ったのだった。
まず目に飛び込んで来るのは、大量に積み上げられたガラナ!ブラジルの国民飲料であるらしい。
あとは肉!肉!肉!ここが日本であることを、しばし忘れてしまうほどである。
次にサンバの衣装を扱っているお店にゆき、私も含めゼミ生一行で、リオのカーニバルで見るような、あの衣装を着てみたりなど。写真は私である。
最後は、観光協会にゆき、先ほど着せてもらった衣装を着てやるべきサンバダンスのレッスンを全員でプロの先生から受け、汗だくヘロヘロになったのだった・・・。正直わたしは歳なので死ぬかと思ったりもしたが、実に楽しかった。
夕方、駅から帰途につく前に、私自身イチ推しの《或るもの》を皆に食べさせるため、駅からすぐの角にある「CANTA GALO 宮城商店」に立ち寄った。
《或るもの》とは・・・・・・
転載:nationalgeographic.jp
これはガリガリ君にもあったコーンアイスバーなのだが、死ぬほど美味いのである。もし、私が大金を持っていたら、今すぐ工場をぶっ建ててラインを整え、しかるのち大量生産体制に入り、全国のコンビニを席巻したいくらい美味いのである。誰か、是非、頼む。絶対に儲かるから!
それはさておき、当日はブルナさんも一緒にコーンバーを食べてから、駅で見送って頂き、一路、東京への帰途についたのだった。
大泉町については、まだまだ色々と書きたいことがあるのだが、今日はこれくらいにしておく。
法哲学や政治哲学で「多文化主義(Multiculturalism)」の話は良く聞くが、遠いカナダのケベックとか、北アフリカの女子割礼の話とかではなく、我々の身近に切迫した問題として、このトピックは現に横たわっているのだということが、大泉町に行けば身にしみて分かるかもしれない。
なお、この大泉町については、実際にそこで暮らしてみた体験記を漫画にしたものがあり、面白いので興味のある人は読んでみると良いと思う。下記、参照。
群馬県ブラジル町に住んでみた ラテンな友だちづくり奮闘記 (メディアファクトリーのコミックエッセイ)
- 作者: 中川学
- 出版社/メーカー: メディアファクトリー
- 発売日: 2013/10/18
- メディア: 単行本
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個人的に今回の最大の収穫のひとつは、この漫画に出てくるレンタルビデオ(DVD?)屋とおぼしき店を発見したことである。
http://www.oizumimachi-kankoukyoukai.jp/
本日は、これまで。