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塙和也『自民党と公務員制度改革』/包括政党「自民党」の黄昏

 白水社から、この7月中に刊行される塙和也著『自民党と公務員制度改革を御献本頂いたので、早速読んでみた。(未だ発売前なのだけど)少し感想を。

自民党と公務員制度改革

自民党と公務員制度改革

 著者は、本書内容の取材時、毎日新聞の政治部記者(現在は日経の大阪社会部)。内容は、タイトル通りの直球勝負で、福田から麻生政権期までの所謂「公務員制度改革」を巡る諸々の動きを綿密に追ったもの。

 これまでも公務員改革に関してはあまたの本があったが、脱藩官僚などによるメッセージ性の強いものとは一線を画し、政治部記者として「事実の深度」で勝負をかけている点が特長であるように感じた。

 私も、福田政権は自民党が「包括政党」たり得た最後の瞬間だったと感じているので、「公務員制度改革」という観点から、その裏側を描き出している点、興味深い。

 全然関係ない話だが、第一次安倍政権の頃だったかと思うが、三軒茶屋の246に面した書店で、福田総理を見かけたのを思い出したり。本当に普通のお爺さん(失礼)で驚いた記憶が。

 担当編集者は、これまで白水で私の本を担当して下さって来た竹園公一朗さんで、あとがきを読むと、竹園さんが時事通信の政治部記者だった頃の著者との思い出も記されており、なかなかに感慨深い読後感。

 敢えてメッセージ性を抑えた上での綿密な記述が続くので、本書は読者を選ぶ点、無きにしもあらずなのだが、再び自民党政権に戻った今、下野前のあの頃、何が起こっていたのかを考え直すためにも、一読の価値はあるか、と。