『がっこうぐらし』 とゾンビ法哲学
深夜アニメ「がっこうぐらし」がゾンビ物とは仄聞していたのだが、先日、連日の行政雑務その他による繁忙のため心が折れていた深夜、第1話から第6話までを一気に観てしまった(つい、かっとなってやった)。
本エントリーはゾンビ好きの法哲学者がテキトーに書いたもので、タイトルに余り意味はないです。以下の本の訳者・解説者です。
- 作者: ダニエルドレズナー,谷口功一,山田高敬
- 出版社/メーカー: 白水社
- 発売日: 2012/10/24
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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あと、下記、ネタバレにはご注意下さい。
折角なので、本屋でマンガ版の方、試しに3巻まで買って来て読んだが、とても面白いので、明日残りの3巻を買って来て読むことにした。あと、さっきアニメの第7話を観た。今回は『方丈記』か。ゾンビ・プルーフ・ハウスとしての方丈庵(違。
以下、思いつくままに列挙的にメモ。
● シャベル使ってるの高評価。映画じゃなくてオリジナルの小説の方の『WORLD WAR Z(WWZ)』読んだのかな?小説の中で、対ゾンビ最終兵器としてシャベルを進化させたみたいな奴が出て来るんだよね。核兵器とかよりも、こっちの方が全然役に立つ!みたいな。
- 作者: マックスブルックス,Max Brooks,浜野アキオ
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2013/03/08
- メディア: 文庫
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● シャベルについては、「あっ」と思ったんだけど、このマンガ(アニメ)の作者どこの出身かなと思って調べてみたところ、原作・海法紀光(神奈川県出身)、作画・千葉サドル(福岡県出身、大阪在住)なので、「作画者」の意識?が反映されてるのかあ、と思ったり。何の話かというと、コレ↓のことを西日本では「シャベル(ショベル)」と呼び、東日本では「スコップ」と呼ぶらしいのだ。もちろん私は、コレ↓のことをシャベルと呼ぶ。
● ごく最近、瞬間的に流行った「高枝切りバサミ」が出て来た!(予言的である)。
● アニメで観ると「はわわわ」みたいな「萌え」?要素が容赦ないトコもあるが、マンガも併せ読むと、とても面白い展開を期待出来そう。「はわわわ」的要素と深刻な状況との結合で、或る種の異様な雰囲気を醸成しているようにも評価出来る。一種の異化効果か。
● 主人公?は、「聖愚者」的モチーフなのかな、とか。
● ショッピングモールはお約束だよね。好感。
● モールのピアノの上でゾンビに群がられるの2010年のフランスのゾンビ映画『ザ・ホード--死霊の大群』(La Horde)の或るシーンを思い出すなど。ちなみにこの映画は本当に胸クソ悪い映画だった。オススメしない。フランスの郊外(Banlieue)の荒廃が描かれているなあ、とは思ったが。
● マンガの1巻で、ほのぼの系と見せかけつつ、いきなりソンビ物と判明する展開、好き。『アイアムアヒーロー』をコンビニで立ち読みしていて同じことがあった際、思わず深夜のコンビニで「おおおぉおぉぉ!素晴らしい!」と叫んでしまい、死にたくなったのを思いだすなど。
● マンガ1巻の最後の付録にある「巡ヶ丘学院高等学校××年度 学園案内」に出て来る、「男土市」って何て訓むんだろう?と、しばらく考えていたら「男土」という文字がゲシュタルト崩壊して来た・・・。3巻の「職員用緊急避難マニュアル」と合わせ、よく作り込まれていて面白い。
●「男土市と西インド諸島との間に文化的交流がある可能性」云々と「本校の沿革」にあるけど、ゾンビの発祥が西インド諸島にあるのは周知の通り。前掲『ゾンビ襲来』収録の拙解説なども参照。
● 2巻で「みーくん」がパンデミック発生直前に本屋で読んでた「飜訳は読んだから読めるかなって・・・」の洋書、スティーブン・キングの『ザ・スタンド(The Stand)』か。パンデミックものなんだよな、コレ・・・。
● 2ちゃんで見つけたけど、「校訓「夜にては恐れに向き合い/暁にては希望を捨てず/昼・・・・」は、ロメロの、「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」「ドーン・オブ・ザ・デッド」「デイ・オブ・ザ・デッド」のシリーズの題名と内容にリンクしてる」か。ますます好感。ところで、この校訓はアニメの方?
ゾンビ関係の本、先日すべてゆうパックで研究室に送ってしまったので、今度行った時に段ボール2箱分くらい自宅に送り返しておくこう・・・。
それはさておき、拙訳・解説の『ゾンビ襲来--国際政治理論で、その日に備える』は、本体部分では「がっこう」でのゾンビとヴァンパイアについて対比してる部分が本作品を観る上で参考になるかもしれないが、巻末の解説部分で書いた「ソンビの社会文化史」その他が参考になるかもね、と思ったり。「がっこうぐらし」の副読本として、是非!
参考までに以下、本ブログ内にあるゾンビ関係のエントリー一覧。
なお、原稿はちゃんと書いてますので・・・>どことなく。