大学生と電子メール

 今年も新学期が始まったが、わたしは1年生向けの基礎ゼミナールも毎年担当しており、電子メールについて幾つかメモ代わりにここに書いておいた方が良いこともあったので、以下、よしなしごとも含めて。

 昔話になって恐縮なのだが、私が大学生になった頃には未だ携帯電話もそれほど普及しておらず、今のような形の本当に「携帯」出来るような形態のものは、学部の3年か4年くらいの頃からちらほら見始めるようになったと記憶している。つまり電話での連絡はほとんどの場合、固定電話によるものだったのである。余談だが、最初期の「携帯」電話は、以下のような肩掛けで持ち運ぶものだった。わたし自身は、さすがにこれは所持したことはないが、親の知人が持っているのを使ったことはある。

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 従って当時、仲の良い異性が出来たりしても、相手が実家住まいである場合には、相手の家に架電すると「(トゥルルルルル)はいっ!カミナリ寿司です!」などと勢いよく親御さんが先方の受話口に出て来ることもあったのだった(これは私の同級生が遭遇した実話である。彼は恐怖の余り電話を切ってしまったらしい)。この関門を通過出来なければ楽しい学生生活は無いわけであって、ある種、強制的な「社会化」のイニシエーションが存在していたわけである。

 閑話休題。肝心の電子メールなのであるが、大学生が使用するネット上のコミュニケーションツール(含SNS)は、わたし自身が今の大学に赴任して以来、PCメール(携帯メール)、2ちゃんねる、mixi、twitter、Facebook、そしてLINEと変遷して来たが、どうも最近の学生さんたちは、初っぱなからLINEでお互いに繋がっているため、もはや携帯のメールさえ余り使っていないような印象さえ持っている。そのためか大学院生くらいでも余りPCメールのアカウントは頻繁にチェックしていない場合があるようだ。

 90年代にパソコン通信からネットの世界に触れ始めた私としては、もはや隔世の感ではあるのだが、しかし、PCベースでの電子メールのやり取りは、社会人になってからも行われるはずなので、出来るだけ早い時期にメールのやり取りに関して最低限のマナーを学んでおいて頂ければと思う次第である。

 PCでの電子メールのお作法については、以下に大変よくまとまっているので、学生の皆さんは是非読んでおいて欲しい。

 

1)大学教員へのメールの書き方(江口聡先生作成)

 http://melisande.cs.kyoto-wu.ac.jp/eguchi/archives/71

2)メールを書くときには、ここに注意(松岡和美先生作成)

 http://user.keio.ac.jp/~matsuoka/mailsample.htm

 

 わたし自身もスマホを使っており、その便利さは分かっているのだが、長大なある程度以上の長さの文章をキチンと校正しながら作成するのは、やはりPC(しかもデスクトップ)にまさるものは無いので、PCでメールを作成する作法を早めに身につけて頂きたいものである。

 

※ 追記(2015年5月20日)

 以下、非常に興味深い記事。とうとうスマホでもメールの利用率が半数を割ったとのこと。2014年から15年の間に大変動が起こっている?

internet.watch.impress.co.jp