J-WAVE/JAM THE WORLD出演補遺「多文化主義とはなにか?」

 2015年1月7日、J-WAVEの「JAM THE WORLD」 という番組の Breakthrough というコーナーに出演して来ました。お題は「欧米の多文化主義とはなにか?」。パーソナリティは萱野稔人さん(津田塾大・哲学)。時間は20:55~21:20くらいの、だいたい20分強くらい。これまでラジオは2回出演したことがあったものの、それらはゾンビ話で、マジメな話は今回が初めてなので正直、緊張しました。

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 ただ、東京に出てきて初めて J-WAVEを聴いて「コレが東京かあ!」と思っていた頃のことも思いだし、その点、素直に嬉しかったです。当日は、直前の仕事で一緒だった同僚の天野晋介先生(労働法)と河野有理先生(日本政治思想史)も折角なので、ということで六本木ヒルズのJ-WAVEまでご一緒し、「夜景すげえ!」とかみんなで、はしゃいでいました笑。

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 元旦にTwitterのDM経由で出演依頼があってからの準備だったので、質疑案を何とかかんとか作り上げて行ったものの、当日は、萱野さんがノリノリで「今日は自由にやりましょう!」とのことで、想定問答が崩壊し、実は泡食っていたり・・・。

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 一般の聴取者を意識した萱野さんからの問いかけ、切り回しはさすがではあったのですが、それだからこそと言うか、どうしても質問が大ぐくりなものにならざるを得ず、しばしば「えっ?それ聞いちゃうの?!(汗)」と言葉に詰まったりもしましたが、この点、ラジオをはじめとするマスメディアに出演してコメントすることの難しさを改めて痛感しました。

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 現今の欧州での出来事に関しては、わたしは比較政治とか地域研究が専門ではないので、出来るだけ「法哲学者」として回答出来る点に焦点を合わせようとはしたのですが、なかなか難しい・・・。専門家としての「良心の矩」についても考えさせられた経験でもありました。

 

 放送で言及した情報ソースなどについて以下、補遺として。

■ Multiculturalism の語のOEDでの初出 → 1965年 

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■ スタンフォード哲学百科事典の「多文化主義」の項目

 Multiculturalism (Stanford Encyclopedia of Philosophy)

■ ウィル・キムリッカの『多文化時代の市民権』 

多文化時代の市民権―マイノリティの権利と自由主義

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  • 作者: ウィルキムリッカ,Will Kymlicka,角田猛之,山崎康仕,石山文彦
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  なお、この放送で話した欧州の多文化主義や移民政策については、端的に内藤正典『ヨーロッパとイスラム』が最も手軽でありながら示唆に富む内容のものとなっていると思うので、是非どうぞ。 

ヨーロッパとイスラーム―共生は可能か (岩波新書)

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  その他の文献や私じしんの考えについては、改めて以下をどうぞ。

taniguchi.hatenablog.com

 なお、番組終了後、同僚2人と恵比寿へ移動して焼き鳥屋で仕事の話の続きなどをしてから帰りましたが、「都心で会議→六本木→恵比寿とか東京カレンダーみたい!」などと、普段都心と縁のない3人で騒いでいたとか何とか。

 

 以上、出演の備忘も兼ねて。