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與那覇潤・東島誠 『日本の起源』

 與那覇潤・東島誠(2013)『日本の起源』太田出版、読了。

 與那覇さんから、だいぶ前に御恵贈いただいていたのだが、帰省した際に與那覇ファンの父にあげてしまったので、再度購入し、ようやく読了の運びに。ちなみに父は、以前、やはり帰省の際、たまたま、わたしがコピーを持って帰っていた「中国化論序説――日本近現代史への一解釈」『愛知県立大学文学部論集』57号(日本文化学科編11号)を読んで以来の與那覇ファンである。その後、『中国化する日本』もプレゼントしたが、めっぽう面白いらしい。学者でも何でもない普通の市井の人である、私の父のような人をも面白がらせる点は、実に見習わなければならない。

 それはさておき、以下、先ずは自分用のメモも兼ねて。

● 武烈天皇、酷い(笑)→「妊婦の腹を割いて、胎児をご覧になった」『日本書記』巻十六[15]
● ウェーバー『儒教と道教』[55-56]:「〔日本は〕官僚制を導入しても、結局はウェーバーの言う、家産制的官僚制のほうが使い勝手がよい・・・」
●「文字禍」の世界:「文書によって支配するノウハウ」、「文書の力に目覚めた」[61]
● 東西分割統治と道州制の起源[78-]:「天つ日嗣高御座(あまつひつぎたかみくら)」と「四方食国(よもつおすくに」。「西国の相当厄介」、「古代の駅制では、東海道よりも、九州、太宰府に通じる山陽道のほうが重要視されていた」、「中世にいたっては、九州は半独立状態の様相を呈し、十四世紀には「当時本朝の為体(ていたらく)、鎮西九州ことごとく管領にあらず」、「戦国時代の天下統一過程でも、島津をつぶすなんて、そもそも無理だろう、という感覚すらある」。
● 網野『無縁・公界・楽』:堺の自治都市、コミュニティの鮮烈な印象、『もののけ姫』のエボシ御前>ジコ坊。[102]
● ポピュリスト秀吉>>>越えられない壁>>>信長[123]:旧五条橋の撤去
● 東アジアと日本の動乱はつねにリンクする[130, 132]
●「日本の国内秩序は、じつは東アジア情勢の関数」[134]
● 両国~地図[140-141]:実に面白い
● 今井正監督『武士道残酷物語』(むろん、南條範夫原作)
● 山本七平:北条泰時=天才;官僚制が私物化されている帝国陸軍で地獄を見たから[154]
●「ろくでなし」とか「人外」のように、否定形の語彙は豊富にある社会だった。問題は「まっとうである」という肯定形の語彙があったかどうか[179]
● 拙論参照:礼楽[198]
● 民族大移動としての高度成長期の農村→都市[297]→ 吉川洋『高度成長--日本を変えた6000日』中公文庫、2012年。
● 大名=代議士 

公共圏の歴史的創造―江湖の思想へ

公共圏の歴史的創造―江湖の思想へ

 

  読みながら、ふと昔のことを思い出したのだが、もちろん東島さんの『公共圏の歴史的創造―江湖の思想へ』(2000年、東京大学出版会)は読んだことがあるのだが、東島さんとは、この本の出版されて程ない頃に、一度、何かの懇親会で直にお目もじする機会があり、名刺も頂いていたのを思い出した。当時、私は修論を書き終え、『国家学会雑誌』に掲載するための「公共性」論文を執筆中か、執筆し終わったばかりの筈で、その時、何をお話したのだろうか、と・・・(思い出せない汗)。

 本の感想に戻るが、個人的には特に前半を興味深く読み、とにかく勉強になった。或る知人が言っていたが、この本は、そういう点では、院生になる時に様々な文献を渉猟する上でのブリッジブック的な長所を持っているのではないか、と感じた。

 もっと色々書きたいのだが、そろそろ後期も開始するため時間的余裕がないので、今日のところは、ここまで、とし、また余裕のある時にでも補足したいと思う。