長岡弘樹『教場』/刑事訴訟法の副読本?

 せっかく早起きしたので、ついでに。最近、珍しく警察?小説を読んだ。正確には警察“学校”小説なのだが、長岡弘樹『教場』小学館。新聞が週刊誌の書評で絶賛だったこともあり、週末、何のけなしに読んでみた。

教場

教場

 オビには君には、警察学校をやめてもらうとあり、警察学校という閉鎖空間の中での緊迫したやり取りが描かれているのだが、陸軍内務班における鬼先任の現代版という風情も。読後感は意外に爽やかで、面白かった。

 この『教場』、民法3部の副読本としてのナニワ金融道のように、刑事訴訟法の副読本としても良いのではないか、とも思った。

ナニワ金融道 (18) (モーニングKC (509))

ナニワ金融道 (18) (モーニングKC (509))

 先に陸軍内務班うんぬんと記したけど、もちろん念頭にあったのは、大西巨人の『神聖喜劇。この暑い季節になると、毎年わたしは『神聖喜劇』を読み直し、終戦記念日くらいに最終巻最終頁を捲るように読み進めているが、ここ数年毎年暑くなるのが(そして夏が終わるのが)早くなっているような気もする。

神聖喜劇〈第1巻〉 (光文社文庫)

神聖喜劇〈第1巻〉 (光文社文庫)